行政サービスの充実度や観光資源が喧伝される一方で、実際に小野市に居を構えた住民はどのような実情を感じているのか。移住者コミュニティやSNS、地元住民への聞き取りから見えてきたリアルな検証結果をお伝えします。
まず圧倒的に高く評価されているのが、兵庫県小野市 治安の良さと地域コミュニティの安心感です。小野市では「安全安心のまちづくり」の一環として、市内主要交差点や通学路に1,000台規模の防犯カメラが張り巡らされており、犯罪抑止力として極めて高い効果を上げています。取材に応じた30代の移住者女性は次のように語ります。
「以前住んでいた神戸市内の密集地に比べ、夜道の一人歩きでも不安を感じることが格段に減りました。近隣住民同士の挨拶が自然に交わされ、地域全体で子どもを見守っている空気感があります。小野市の医療費助成の手厚さにも助けられており、子どもが急に高熱を出した際も窓口負担を気にせずかかりつけ医を受診できるのは精神的に大きな救いです」
一方で、生活スタイルに関するシビアな現実を指摘する声も少なくありません。最大の論点となるのが「完全な車社会」である点です。公共交通機関として神戸電鉄粟生線 小野駅が機能しているものの、神戸・新開地方面への移動には約1時間を要し、運行本数も都心部に比べれば限られます。日々の買い物、子どもの送迎、医療機関へのアクセスなど、あらゆる生活動線において「大人1人につき車1台」の所有がほぼ前提となります。
また、大手シネマコンプレックスや大型ファッションビルといった大型商業施設は市内になく、加古川市や三木市、あるいは神戸市北区・三田市方面へ車を走らせる必要があります。この移動を「快適なドライブ」と捉えられるか、「不便な移動コスト」と感じるかによって、居住満足度は大きく分かれます。