本作は劇場公開時のみならず、各種定額制動画配信サービスに追加されるたびにSNS上で大きな反響を呼び、時にセンセーショナルな議論を巻き起こしてきました。ネット上の感想やレビューを検証すると、視聴者の反応は主に次の3つの傾向に大別されます。
まず圧倒的に多いのが、「途中で見るのを止めた」「二度と見られない」という精神的な拒絶反応です。大手映画レビューサイトやX(旧Twitter)では、「部屋が汚れていく描写と、弟の生気が失われていく過程がリアルすぎて吐き気を催した」「幼い子どもを持つ親なら絶対に精神が耐えられない」といった投稿が数千件規模で蓄積されています。BGMを排した定点カメラによる長回しが、映画という安全地帯を破壊し、観客を密室の「無力な共犯者」にしてしまう構造が強いトラウマを与えています。
一方で、映画ファンや社会問題に関心を持つ層からは、「ネグレクトの構造をこれ以上ない説得力で映像化した傑作」という高い評価も寄せられています。「母親を怪物化してスカッとする勧善懲悪映画ではなく、誰にでも起こり得る孤立の深淵を描いている」「行政や近隣住民が異変に気づけなかった理由が肌身に染みて理解できる」といった冷静な分析も目立ちます。
また、配信プラットフォームのレコメンド機能によって、内容を詳しく知らない一般ユーザーが「家族ドラマ」や「ヒューマンドラマ」と誤認して再生してしまい、「なぜこんな劇薬のような作品がカジュアルにサジェストされるのか」とプチ炎上する現象も定期的に確認されています。この現象自体が、本作の持つ生々しい告発性の高さを物語っていると言えます。