町が直面する最大の生活インフラ課題が、朝夕の慢性的な交通渋滞だ。熊本市中心部と阿蘇方面を結ぶ国道57号線、そしてセミコンテクノパークへ向かう主要地方道は、通勤時間帯になると車列が数キロメートルにわたって完全に停止する光景が日常化していた。
このボトルネックを打破すべく、行政とJR九州が協調して推し進めているのが鉄道インフラの強化である。JR豊肥本線の三里木駅と原水駅の間に設置が計画された新駅は、工業集積地への通勤客を鉄道へ転換させる切り札として位置づけられている。熊本県が主導する熊本空港アクセス鉄道構想とも有機的に連動し、車社会特有の渋滞を根本から緩和する狙いがある。
さらに道路網においても、中九州横断道路の整備や周辺県道の4車線化、交差点の立体化といった大規模工事が進行している。だが、インフラ整備には相応の年月を要する。工場稼働による交通量増加のペースが道路整備の進捗を上回る時期が続いたため、住民の通勤ストレスはいまだ解消され切っていない。現在は企業の時差出勤導入やシャトルバス運行といったソフト面の渋滞対策も並行して実施され、徐々にピークカットの効果が表れ始めている。