Aシート最大の落とし穴として鉄道ファンや日常利用者の間で知られているのが、いわゆる「窓割りガチャ」と呼ばれる視界の格差問題です。特に初期から活躍する223系改造車(V3・V4編成の9号車)に乗車した際、この罠が顕著に現れます。
223系改造車は、元々一般車として片側3ドアだった車両の中央扉を物理的に埋めて客室化し、シートピッチ910mmのリクライニングシートを並べ直して誕生しました。その結果、本来の窓の柱(ピラー)の位置とシートの配列が完全にズレてしまい、座席の真横に太い壁が来てしまう席が構造上発生してしまったのです。車窓を眺めてリフレッシュしたい読者にとって、乗車して目の前が白いプラスチック壁だったときの絶望感は計り知れません。
現場取材と座席位置の照合から判明した、注意すべき注意席とおすすめの当たり席の基準は以下の通りです。
【避けるべき要注意席(視界が極端に狭い席)】
・6番席(A・B・C・D)および7番席(A・B・C・D):元の中央ドア開口部付近に位置しており、223系改造車に当たった場合、窓枠が視界を大きく遮るか、真横がほぼ完全な「壁」となります。外の景色を楽しみたい場合は絶対に避けるべきスロットです。
・12番席(最後列):壁際のため後ろを気にせずリクライニングできる利点はあるものの、窓の端部に位置し、視界の抜け感という点では中央部の当たり席に劣ります。
【視界・開放感抜群のおすすめ席(当たり席)】
・3番席・4番席・9番席・10番席:窓の中央付近に座面が配置されやすく、広大な複線・複々線の車窓や明石海峡大橋、須磨の海岸線をパノラマ感覚で見渡すことができます。
・進行方向ごとの眺望:下り(神戸・姫路方面)では南側に当たる「C・D席」が須磨・明石エリアで瀬戸内海のオーシャンビューを楽しめる一方、日差しが強い昼間は遮光カーテンを下ろす乗客が多いため、作業に集中したい場合は北側の「A・B席」、景色を堪能したい場合は時間帯に応じた選択が求められます。
なお、2023年に投入された225系700番台新造車(K1・K2編成)では、最初から2ドア車として設計されたため窓割りとシートピッチの破綻は解消されています。しかし、運用は共通で組まれており、当日の車両繰りやダイヤ乱れによってどちらが来るかを予約時点で100%見極めることは困難です。したがって、「初めから3番・4番・9番・10番付近の席を押さえておく」ことが、窓割りガチャで大外れを引かないための鉄則となります。