映画界だけでなく、テレビ界においても神山繁さんは欠かせない存在でした。国民的刑事ドラマ『相棒』では、杉下右京(水谷豊)の前に立ちはだかる警察上層部や政界の重鎮を貫禄たっぷりに好演。正義を盲信する主人公に対し、現実社会の冷徹な構造を淡々と突きつける演技は、視聴者に強い印象を刻み込みました。
『踊る大捜査線』シリーズにおける警察幹部役や、『HERO』での司法界の重鎮役など、神山さんが画面に登場するだけで「この事件は一筋縄ではいかない」という緊張感が漂いました。1960年代の伝説的ヒット作『ザ・ガードマン』でみせた若き日の精悍なスーツ姿から、平成の重厚なフィクサー役に至るまで、半世紀以上にわたって「日本のエスタブリッシュメント(体制側)の顔」を演じ続けた軌跡は、まさにテレビ史そのものです。