ネット上では時折「一和とかざりやは犬猿の仲で客を取り合っている」「元祖争いで対立している」といった噂が散見されますが、これは完全な事実無誤認です。
歴史的事実として、一文字屋和輔が平安期から1000年にわたり社頭で厄除け餅を供し続けてきたところへ、江戸時代に入り今宮神社が徳川5代将軍・徳川綱吉の生母である桂昌院(お玉)の寄進によって大規模に再興された際、参拝客の急増に応える形で本家かざりやが創業しました。約400年もの間、両店はお互いの存在を尊重し、定休日や価格設定、営業方針を綿密に調整し合いながら参道の賑わいと神社文化を支えてきた運命共同体です。
また、「冷めても美味しいから長距離のお土産に最適」という言説も誤解を招きやすい点です。本物のあぶり餅は保存料を一切使わない純粋な餅米粉ときな粉、白味噌、砂糖のみで作られています。時間の経過とともに白味噌の塩分によって餅から離水が起き、タレが薄まる現象は避けられません。賞味期限は「当日限り」、可能な限り「受け取り後5時間以内」に食すのが鉄則です。