赤坂議員宿舎を巡るスキャンダルの中で、世論の怒りを最も買ったのが「首都圏・東京選出議員の入居問題」です。議員宿舎本来の趣旨は、地元選挙区と東京を頻繁に往復する地方選出議員に対し、東京での活動拠点を公費で支援することにありました。しかし過去には、東京都内や神奈川県、千葉県など自宅から国会議事堂へ通勤可能なはずの国会議員が、赤坂宿舎に入居していた実態が週刊誌や大手紙の調査報道で次々と発覚しました。
衆議院議院運営委員会の宿舎規定では、原則として「本会議および委員会への出席に著しい支障をきたさない距離に自宅を持たない者」が入居対象とされています。しかし、規則には「特別の事情がある場合」という抜け穴が存在し、過去には党幹部や重要閣僚、危機管理担当ポストにあることなどを理由に、東京に豪邸を所有する議員が入居を認められていたケースが散見されました。自宅を賃貸に出して副収入を得ながら赤坂宿舎に格安で住んでいた事例まで報じられ、ネット上では「二重取り」「特権の濫用」と猛烈なバッシングが巻き起こりました。
世論の反発を受けて議運では入居基準の厳格化が協議され、首都圏選出議員の退去やペナルティ導入が検討されてきました。しかし、国会閉幕後の空室率の上昇や、維持管理にかかる固定経費(年間数億円規模の公費投入)を誰が負担するのかという根本的な課題は先送りされたままです。「税金の無駄遣い」という批判の本質は、単なる家賃の安さだけでなく、運用の不透明さと身内に甘い政治家のガバナンス体制にあります。