田中樹の過去を語る上で、避けて通れないのが実兄である元KAT-TUNの田中聖との関係性です。8歳年上の聖は、KAT-TUNのラップ担当として絶大なカリスマ性を誇り、幼少期の樹にとっても憧れの存在でした。実際、樹がラップを始めたきっかけや、ストリートカルチャーに興味を持ったルーツには、少なからず兄の影響があったと公言されています。
しかし、兄がグループを離れ、その後に様々なトラブルや法的な問題を起こした際、世間の耳目は容赦なく弟である田中樹へと向けられました。当時のワイドショーやネット上では、いわれのない中傷や「弟も同じ道を辿るのではないか」という偏見の混じった憶測が飛び交い、Jr.としてデビューを目指す彼にとって致命傷になりかねない逆風が吹き荒れました。
特筆すべきは、田中樹が公の場で一切の言い訳をせず、自らのパフォーマンスと誠実な態度のみで信頼を勝ち取った点です。彼は兄との血縁関係を否定することはありませんでしたが、同時に「自分はSixTONESの田中樹として生きる」という揺るぎない覚悟をステージ上で示し続けました。報道各社のインタビューや関係者の証言でも、彼が現場で誰よりも周囲に気配りをし、礼儀正しさを徹底していた様子が記録されています。
家族の不祥事に巻き込まれるタレントが芸能界から姿を消すケースも少なくない中、彼は仕事とプライベートを厳密に区別しました。この強靭なメンタリティとプロフェッショナリズムこそが、ファンの結束を固め、スタッフからの絶大な信頼を獲得する決定打となったのです。