編集部が実施した住民ヒアリングおよび転入者の手記から、パンフレットには載らない「暮らしの現場」の肉声を抽出しました。
都内IT企業から完全リモートワークを機に移住した30代夫婦は、生活の質の劇的な向上を語ります。
「以前住んでいた世田谷区では手狭な1LDKで家賃15万円を払っていましたが、氏家駅から徒歩12分の場所に70坪の敷地を購入し、注文住宅を建てました。住宅ローンの返済額は当時の家賃より安く、庭で子どもを遊ばせながら仕事ができます。週1回の東京出張も、宇都宮まで車で出て新幹線に乗ればドアツードアで1時間半。何より、小児科受診時の医療費窓口負担がない点や、認可保育園に入園しやすかった点は子育て世帯として救われました」(移住3年目・30代会社員)
一方で、地方生活ならではのコスト構造に戸惑いの声を上げる住民も少なくありません。
「地方暮らしで最も甘く見ていたのが自動車の維持費です。夫婦で生活するためには大人1人につき車1台が絶対条件でした。車両の購入代金だけでなく、自動車税、保険料、車検費用、ガソリン代が2台分重くのしかかります。都心と違って公共交通機関だけで生活を完結させるのは非現実的です。また、冬場の冷え込みは厳しく、朝晩の氷点下に対応するための光熱費(プロパンガス代や暖房費)は東京時代と比べて月1万5千円以上跳ね上がりました」(移住2年目・40代自営業)
行政のサポート体制については、最大100万円が交付される移住支援金(東京圏からの移住要件を満たす場合)の支給手続きが迅速であったことや、放課後児童クラブ(学童保育)の受け入れ枠が比較的柔軟である点が高く評価されています。車社会を前提とした家計防衛策さえ講じておけば、総合的な生活満足度は極めて高い水準を維持できることがうかがえます。