冷凍庫に眠る鮭が「塩鮭(甘口・中辛)」なのか「生鮭(白鮭・銀鮭・サーモントラウト)」なのかによって、焼き方や味付けの前提が大きく異なります。生鮭と塩鮭の焼き方の違いを把握しておくことは、塩辛くなりすぎたり味がぼやけたりする失敗を防ぐ必須知識です。
塩鮭はすでに塩分によってタンパク質が適度に引き締められ、脱水処理が施されているため、そのまま焼いても崩れにくい特徴があります。一方、未処理の生鮭は水分量が多く、そのまま焼くと身が崩れやすいうえに臭みが出やすいため、焼く直前に軽く塩を振って数分置き、浮き出た水分を拭き取る鮭の臭み取りと下処理が効果的です。
また、冷凍鮭の美味しさを損なう最大の敵は「表面の酸化した霜」です。長期間冷凍庫に入っていた鮭は、空気に触れて脂質が酸化し、特有の冷凍焼け臭(酸化トリメチルアミンなど)を放ちます。調理前に流水で表面の霜だけを2〜3秒で洗い流し、ペーパーで完全に水気を拭き取るだけで、焼き上がりの香りは見違えるほどクリアになります。
冷凍鮭の賞味期限と保存方法については、購入時のパックのまま放置せず、ラップで空気が入らないよう密着包装したうえでジッパー付き保存袋に入れ、冷凍庫(-18℃以下)で保管します。家庭用冷凍庫での保存目安は約2週間から最長1ヶ月です。それ以上経過すると脂質の過酸化が進み、いくら蒸し焼きにしてもパサつきと黄ばみが生じるため注意してください。