羽織と着物の決定的な違いは、前身頃が打ち合わさずに開いて着る設計になっている点と、動きやすさを確保するために脇の下に「マチ」が縫い込まれている点です。着物を畳む「本だたみ」の手順をそのまま羽織に適用しようとすると、マチが変形して生地に強い負荷がかかります。
正しい羽織のたたみ方(羽織だたみ)は、平らな敷物の上で衿とマチを正しく整えることから始まります。慣れてしまえば着物よりも工程が少なく、わずか1分程度で美しく仕上がります。
【ステップ1:衿を整えて内側に折る】
羽織の背中側を下(敷物側)にして広げ、衿元を自分の方に向けます。羽織の衿は着用時に外側へ折り返していますが、畳む際は衿山を「内側(身頃側)」へ半分に折り込みます。このとき、首後ろの衿の中心から裾に向かって、自然な折り筋に沿って平らに整えます。
【ステップ2:両脇の「マチ」を内側に倒す】
初心者が最もつまずきやすいのが羽織のたたみ方 マチの処理です。羽織の両脇にある三角〜長方形のマチは、脇の縫い目に沿って身頃の内側へパタンと均等に折り倒します。左右両方のマチを内側に入れると、羽織の輪郭がすっきりとした長方形になります。
【ステップ3:左右の前身頃を重ね合わせる】
下前(自分から見て右側)の前身頃を背縫いの中央に向かって平らに整え、その上に上前(左側)の前身頃を重ねます。衿のラインが左右ぴったり重なり、背縫いが底面の中央に真っ直ぐ通っている状態を作ります。
【ステップ4:袖を身頃の上に折り返す】
まず上前側(左側)の袖を、袖付けの縫い目に合わせて身頃の上にパタンと折り返します。続いて羽織全体を裏返し(背中を上にする)、もう片方の袖(右側)も同様に背中側へ折り重ねます。最後に丈が長すぎる場合は裾を適切な位置で折り上げます。