東方旧作とWindows版の間には、幻想郷の地理的設定、魔法の概念、スペルカードルールの有無など、数多くの構造的違いが存在します。その差異がもっとも分かりやすく表れているのが、旧作からWindows版へと引き継がれた数少ないキャラクターである「アリス・マーガトロイド」と「風見幽香(旧作名:幽香)」の変遷です。
アリスは旧作第5弾『怪綺談』のエクストラステージボスとして初登場し、魔界の少女として描かれていました。しかしWindows版『東方妖々夢』で再登場した際には、元人間から魔法使いになった種族設定が与えられ、魔界との直接的な血縁・主従関係は前面に出なくなりました。また、旧作では「死の少女」といったダークファンタジー色の強い二つ名を持っていたのに対し、新作では「七色の人形遣い」として人形操作に特化したスマートなキャラクター付けが確立されています。
一方の幽香は、旧作『幻想郷』で初登場した当時はパジャマ姿の道中演出や凶悪な弾幕でプレイヤーを圧倒する「妖怪の山の主」的な強大な存在でした。Windows版『東方花映塚』で再登場した際には「風見幽香」のフルネームが与えられ、四季の花を愛でるマイペースかつ圧倒的な実力者という洗練されたビジュアルへとアップデートされています。このように、旧作のコアとなる魅力(最強格の威圧感や人形遣いとしての素質)を抽出しつつ、Windows版の緻密な世界観に合わせて再調律されているのが特徴です。