歴史の針を150年ほど巻き戻そう。明治9(1876)年、北海道・札幌の地に設立された開拓使麦酒醸造所。ここが、すべての始まりだった。当時、未知の領域だった日本のビール醸造業において、本場ドイツのベルリンへ渡り修業を積んだ男がいた。日本人初の本格的ブルワーである中川清兵衛だ。
ドイツ仕込みの本格的製法を持ち帰った中川は、厳寒の地で本物の麦酒づくりに没頭した。開拓使のシンボルであった「北極星」をラベルにあしらったビールは、やがて「赤星」として人々に浸透していく。幾多の歴史的荒波や企業の再編を乗り越え、創業の精神は今も変わらず受け継がれている。グラスに注がれた一杯には、日本のものづくりを切り拓いた先人たちの熱き情熱とロマンが満ちているのだ。