机上の理論だけでなく、日々の食卓現場ではどのような現実が起きているのでしょうか。日本最大級の出張シェフサービス「シェアダイン(SHAREDINE)」では、管理栄養士や一流レストラン出身のプロシェフ約6,000名が家庭へ出向き、1回8,800円(税込・交通費別)からオーダーメイドの作り置き料理を提供しています。現場のシェフや栄養指導員が目の当たりにするのは、自己流の極端な制限による失敗例の多さです。
現場の管理栄養士への取材や利用者の声によると、自炊で糖質制限を試みた人の多くが「米を抜いた代わりに、無意識に揚げ物や脂っこい肉料理を過剰に摂取して総カロリーが爆発していた」という事態に陥っています。糖質を抜けばいくら油を摂っても太らないと誤解し、結果的に体重が停滞するケースです。
一方で、SNSや知恵袋などのリアルなコミュニティでは、過度な脂質制限による悲痛な声も目立ちます。
「ローファットを数ヶ月続けたら、肌が粉を吹いたようにカサカサになり、髪のツヤが消えた」
「脂質を削りすぎてホルモンバランスが乱れ、生理が止まってしまった」
「外食チェーンでは脂質カットの選択肢が少なすぎて、職場での付き合いが一切できなくなった」
脂質はホルモンの原料であるコレステロールを供給しているため、特に女性や細身の人が過剰に削りすぎると、健康被害が直結します。外食産業の食事は味付けや調理油で「見えない脂質」が大量に含まれているため、多忙な現代人が脂質制限を完遂するには相当な自炊環境が求められるのが冷厳な現実です。