Q1:なぜ放射性同位体として炭素(C)や窒素(N)ではなく、リン(P)と硫黄(S)が選ばれたのですか?
A1:炭素や窒素はDNAとタンパク質の双方に含まれており、両者を明確に識別する目印にならないからです。リンはDNAのヌクレオチド骨格に大量に含まれますがタンパク質にはほぼ皆無であり、逆に硫黄はタンパク質を構成するアミノ酸(メチオニン・システイン)に含まれるもののDNAには全く含まれません。この「一対一の排他的な対応関係」を作り出すためにPとSが選ばれました。
Q2:エイブリーの実験ですでに「DNAが遺伝物質」と示されていたのに、なぜハーシーとチェイスの実験が必要だったのですか?
A2:当時の生化学の限界として、抽出したDNA溶液からタンパク質を完全に除去できず、反対派から「混入したわずかなタンパク質が形質転換を引き起こしたのではないか」という反論を論破できなかったためです。ハーシーとチェイスは、ウイルス感染という「生きた系」を使い、タンパク質とDNAを物理的に引き離すまったく新しいアプローチをとることで、学界全体の納得を勝ち取りました。
Q3:大学受験や共通テストで「上澄み」と「沈殿」を絶対に取り違えない覚え方はありますか?
A3:丸暗記ではなく「重さの直観イメージ」で固定してください。試験管の底に沈む重いもの=「大腸菌(細胞)」、上に浮く軽いもの=「ファージの空殻(ウイルスの残骸)」です。大腸菌の中に入ったDNA(32P)は大腸菌と一緒に沈むので「沈殿」、外に残されたタンパク質(35S)は殻と一緒に浮くので「上澄み」と、主語を「大腸菌か殻か」に置き換えて理解すれば絶対に間違えません。