開始直後に2キロ、3キロと一気に体重が落ちる体験談がSNS上を賑わせています。この即効性こそが、1日1食ダイエット効果として喧伝される現象の正体です。しかし、内分泌学および代謝内科の専門医が指摘する通り、初期段階の急激な体重減少の実態は体脂肪の燃焼ではありません。体内のグリコーゲン(貯蔵糖質)枯渇に伴い、そこに結合していた膨大な水分が急速に体外へ排出されているに過ぎないのです。
さらに警戒すべきは、エネルギー供給が極度に滞ることで生じる「糖新生」です。生命維持に必要な血糖を確保するため、肝臓は自らの筋肉を分解してアミノ酸を取り出し、エネルギー源へと変換します。筋肉量が1キロ減少するごとに安静時基礎代謝は着実に削られ、体は少ないカロリーでも生命を維持しようとする「適応性熱産生(飢餓適応)」のフェーズへ突入します。これこそが、実践者が直面する1日1食痩せない理由の根幹です。
この代謝の急ブレーキ状態に耐え切れず元の食事に戻した瞬間、待ち受けているのが1日1食リバウンドの真相です。消費カロリーの枠が小さくなった体へ通常量の食事が流れ込むことで、余剰エネルギーは防衛本能によってすべて体脂肪へと変換されます。結果として「以前より筋肉が減り、脂肪だけが増加した、極めて痩せにくい体質」が完成してしまうのです。