研究主導型のインフラにおいて、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)の存在感はこれまで以上に増している。特に日本の科学技術基盤の象徴であるスーパーコンピュータ「富岳」との密接な連携は、国内の計算科学に新たな地平を開いた。
各地域の拠点スパコンと「富岳」が階層的に結びつくことで、研究者はアプローチの規模に応じた最適かつ無駄のない計算資源を選択できるようになった。基礎的なデータ処理やプロトタイピングは手近な拠点の計算機で迅速に行い、極限状態の巨大シミュレーションや大規模AIモデル構築の局面では「富岳」の圧倒的な並列処理能力へダイレクトに接続する。この柔軟なリソース配分が、研究効率を飛躍的に向上させている。
実験室の中だけで閉じる研究の時代は終わった。膨大なパラメータを相互に調整し合うHPC環境の成熟が、新たな発見への距離を急速に縮めている。