医療現場において日常的に行われる静脈穿刺は、一見単純な処置に見えて極めて高度な感覚的技術を要する。日本看護協会が提示する安全管理や穿刺に関する各種手引きにおいても、血管虚脱や穿刺時のブレを防ぐための細心の注意が呼びかけられている。
針を刺した瞬間、注射器のシリンジを引く陰圧によって血管が潰れてしまう「虚脱」現象や、針先が血管の対向壁まで突き抜けてしまう過深刺入は、難易度の高い血管において多発しやすい。適切な採血手技を確立している看護師であっても、視認しにくく固定性の低い静脈に対しては、皮膚を引っ張って血管を固定するなど高度な工夫を凝らして対処しているのが実情だ。