前方後円墳はなぜ鍵穴形なのか?最新発掘で暴く埋葬者と消滅の真実

前方後円墳はなぜ鍵穴形なのか?最新発掘で暴く埋葬者と消滅の真実

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2019年にユネスコ世界文化遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」は、国内外から熱い視線を集め続けています。しかし、実際に現地を訪れた旅行者からは、「地上から見るとただの巨大な森にしか見えない」「全体像が把握できない」といった戸惑いの声も少なくありません。空撮写真の完璧な鍵穴形をイメージして現地に立つと、圧倒的なスケールゆえに視覚的なギャップに直面するのです。

現場取材や発掘関係者の証言によると、近年はこの課題を解消するため、堺市博物館をはじめとする自治体や研究機関がVR(仮想現実)やAR、ドローン測量データを駆使した「可視化」に注力しています。堺市市役所最上階の展望ロビーから眺める大仙陵古墳の雄大なパノラマに加え、最新の3次元デジタルアーカイブを活用することで、堀の底に眠る葺石(ふきいし)の美しさや埴輪列の配置をリアルタイムに追体験できる環境が整備されました。

さらに、宮内庁書陵部と堺市による近年の最新発掘調査では、大仙陵古墳の第1堤から石敷き遺構や緻密に並べられた円筒埴輪列が鮮明な姿で検出されました。現地説明会や学会発表に立ち会った研究者からは、「外周の堤ですらこれほど精緻な土木技術が施されているのか」と感嘆の声が漏れました。立ち入りが制限されてきた宮内庁管理の陵墓が、科学的な調査とオープンな情報開示へと着実に舵を切っている現場の息吹が伝わってきます。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。