ナツメグ(和名:ニクズク)は、ニクズク科の常緑高木の種子から作られるスパイスです。肉の生臭さを抑え、料理に豊かな深みを与える伝統的な香辛料ですが、薬理学的には強力な中枢神経作用を持つ化学物質を含有しています。
その毒性の中心となるのが、精油成分に含まれるミリスチシン(Myristicin)とエレミシン(Elemicin)です。ミリスチシンは体内の代謝プロセスにおいてアンフェタミン誘導体に似た構造へ変化し、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質に干渉します。これにより、過剰摂取時に中枢神経が異常興奮し、激しい興奮状態やナツメグ ミリスチシン 幻覚作用が引き起こされます。
さらに、共存するエレミシンは中枢神経への影響に加えてナツメグ エレミシン 肝毒性や代謝負荷を高める要因として指摘されており、微量に含まれるサフロールという成分も生体への毒性が確認されています。日常的な料理で使うごく微量であれば肝臓で速やかに無毒化されますが、一度にまとまった量を摂取すると解毒処理が追いつかず、全身に重篤な毒性反応が噴出します。