ネットコミュニティやファンの間で「最弱の球体」「やられメカの象徴」として語り草になっているのが、地球連邦軍のモビルポッド「RB-79 ボール」です。
作業用ポッドを無理やり戦場へ投入した「急造兵器」の悲劇
ボールが「弱い」「棺桶」と呼ばれる最大の理由は、その生い立ちにあります。一年戦争末期、ジオン公国軍のモビルスーツ(ザクIIなど)に圧倒されていた地球連邦軍は、主力MS「ジム(RGM-79)」の生産配備が完了するまでの頭数合わせとして、宇宙作業用ポッド「SP-W03」に装甲プレートを貼り、上部に180mm低反動キャノン砲を取り付けただけの機体を大量生産しました。
人型MSのようなAMBAC(能動質量移動による姿勢制御)肢を持たず、推進バーニアの噴射だけで軌道変更を行うため、機動性は極めて限定的でした。
「動く棺桶」の由来と前線兵士の過酷な現実
最前線の兵士たちから「丸い棺桶(丸型棺桶)」と恐れられた決定的な要因は以下の3点に集約されます。
- 装甲が薄すぎる:作業用ポッドベースのため装甲は貧弱で、ザク・マシンガンの120mm弾の直撃を受ければ一撃でコックピットブロックごと爆散した。
- 視認性と被弾面積の悪さ:前面に巨大な球形キャノピーガラスが露出しており、直撃を受けたパイロットの死亡率が極めて高かった。
- 学徒動員兵の配備先:熟練パイロットは貴重なジムに割り当てられ、急造のボールには促成教育しか受けていない少年兵や学徒兵が乗せられた。
しかし戦術的には、「ジムの盾の後ろから長距離射撃支援を行う集団運用」において極めて高いコストパフォーマンスを発揮し、ソロモン攻略戦やア・バオア・クー攻防戦における連邦軍の物量勝利を決定づけた影の立役者でもありました。『第08MS小隊』冒頭では、主人公シロー・アマダが先行量産型ボールを駆り、ジオンの宇宙用高機動試験型ザクを撃破する名シーンも描かれています。