敷地の中心にそびえる「もちだんご村 本店」の扉をくぐると、目を見張るほどの種類のおかきや煎餅が整然と並ぶ。なかでも来訪者の目当ては、ここでしか手に入らない焼き立ての限定品や、形が不揃いなため格安で提供される無選別袋だ。サクッとした軽快な歯ざわりの後に広がる米の甘みは、一度味わうとスーパーで買う量産品には戻れなくなる力強さがある。
そして、もち吉の味の根幹を支えているのが、地下深くから汲み上げられる名水「力水(ちからみず)」だ。硬度が絶妙に調整されたこの水は、煎餅の生地作りや出汁の抽出に欠かせない命の水。敷地内の給水所では、専用のボトルを手にした人々が絶え間なく列を作る。直売店舗で煎餅を箱買いした客に力水がサービスされる光景は、もはやこの場所の日常風景であり、水に対する絶対的な自信の表れでもある。