EXILE ATSUSHIが下した決断を語る上で欠かせないのが、彼自身が節目と定めていた「40歳という年齢の壁」です。2001年9月27日のデビュー以来、常にEXILEの先頭に立ち、数々のミリオンヒットを世に送り出してきた彼にとって、2020年4月30日に迎えた40歳の誕生日は、自身の残された歌手生命を逆算する決定的な転機となりました。
当時の報道各社に向けたEXILE ATSUSHI公式発表コメント全文の中から、彼の本心が凝縮された一節を振り返ります。
「今年40歳を迎え、僕自身も歌手としての折り返し地点を迎えました。残りの歌手人生をどう生きるべきか、どう音楽と向き合うべきかを深く考えた時、ここからはひとりのソロシンガーとして、佐藤篤志としての人生を全うしたいという強い思いが芽生えました。EXILEのATSUSHIでいられたことは僕の誇りであり、人生そのものでした。しかし、これからはよりパーソナルな表現で、自分にしか歌えない歌を届けていきたい」
この手記に記されている通り、EXILE ATSUSHI ソロ専念の真相は、巨大組織のシンボルとしての役割を全うした末の「個の表現者への原点回帰」でした。デビュー以来、ATSUSHIは常に「EXILEのボーカル」としての期待に応え続け、過密なドームツアー、楽曲制作、後輩の育成など、個人のキャパシティを遥かに超える重責を担ってきました。自著『天音。』などでも吐露されていたように、歌うことへのプレッシャーから声が出なくなる危機や極度の精神的疲弊を何度も乗り越えてきた背景があります。
40歳という大台を迎えたことで、「あと何年、全力で歌えるのか」というリアルな身体的限界を見つめ直し、EXILEという大きな看板を脱ぎ捨て、「佐藤篤志 EXILE卒業の真実」として自身の音楽的探求にすべてを注ぎ込む道を選択したのです。