野音の名を全国に知らしめたのは、何と言っても激動のライブ史だ。1975年、伝説のバンド「キャロル」の解散コンサートで舞台上が炎に包まれた事件は、若き日の矢沢永吉の圧倒的な存在感とともに今も語り継がれている。ここから日本のロックカルチャーの輪郭が形作られたと言っても過言ではない。
その後も邦楽ロックのカリスマたちが続々とこのステージに立ち、夕闇が迫る日比谷の空にシャウトを響かせてきた。ライブハウスの熱気とスタジアムのスケール感を併せ持った奇跡の空間は、幾多の名盤やライブビデオの舞台としてリスナーの記憶に刻まれている。