スターティングブロックの設定は、まさにスタートの成否を決める土台となる。前足と後足のブロック位置、そして踏み込みの角度が数センチズレるだけで、地面に伝わる推進力は大きく削がれてしまうのだ。
一般的な基本姿勢として、前足のブロックはスタートラインから足のサイズで約2足分、後足はさらにそこから1足分から1.5足分引いた位置にセットするのがセオリーとされる。しかし、単に固定の距離に合わせるだけでは十分ではない。真に大切なのは関節の曲がり具合だ。「位置について」の姿勢から「セット」に移行した際、前足の膝関節角度が約90度、後足の膝関節角度が約120度になるよう微調整を図る必要がある。
さらに、腰の高さと頭部の角度も極めて重要だ。セットの瞬間、腰は肩よりもやや高い位置へ持ち上げ、頭は背骨の延長線上に自然に保つ。視線は斜め前方の地面に落とし、号砲前から上体を起こしすぎないことが、爆発的な低空飛行加速を生み出す秘訣だ。