インターネット上などで根強く囁かれる「巻き舌ができるかどうかは遺伝で決まる」「舌が短い家系は一生できない」といった噂ですが、音声学・解剖学の観点から見ると、大半のケースにおいて遺伝説は誤解です。
一部の例外として、舌の裏側にある筋膜「舌小帯(ぜつしょうたい)」が生まれつき短く、舌先を上あごに持ち上げること自体が困難な「舌小帯短縮症」などの身体的要因を持つケースは存在します。しかし、日常生活でスムーズに咀嚼や日常会話が行えている人であれば、骨格や遺伝が直接の原因で巻き舌が不可能なケースは極めて稀です。
世界を見渡せば、ロシア語圏やスペイン語圏など、巻き舌が日常的に使われる言語環境で育った子どもたちは、特別な遺伝子を持たずとも全員が巻き舌を習得しています。つまり、できない理由は「身体の構造」ではなく「舌の使い方と脱力の感覚を知らないこと」に尽きます。