日頃何気なく行っている豆まきですが、本来の御利益を得るためにはいくつかの明確な作法が存在します。
まず、豆まきに使用する大豆は必ず「炒った大豆(福豆)」でなければなりません。生の豆を撒いて拾い忘れた場合、そこから芽が出ると「魔の芽(目)が出る」とされ、大変な凶兆と考えられたためです。「炒る」という言葉自体も「魔の目を射る」に通じています。
豆まきの手順と作法は以下の通りです。
- 時間帯:鬼や邪気は夜間に忍び寄るとされるため、日が完全に沈んだ夜に行う。
- 撒き手:本来は一家の主(家長)や、その年の干支に当たる「年男」「年女」、あるいは厄年の人が撒くのが吉とされる。
- 方角と順序:家の奥の部屋から始め、窓やドアを開けて「鬼は外!」と外へ向かって投げ、すぐに窓を閉めて鬼の再侵入を防ぐ。最後に玄関から外へ撒き、家の中へ向かって「福は内!」と撒く。
また、北海道・東北・信越地方や九州の一部では、大豆ではなく「落花生(ピーナッツ)」を撒く文化が定着しています。雪深い地域で撒いても拾いやすく、殻に入っているため衛生的で後から美味しく食べられるという合理的な理由から広まったものです。
豆まき終了後は、無病息災を祈って福豆を食べます。食べる数は「自分の実年齢+1個(数え年の数)」が基本です。新しい1年を迎えるにあたり、これからの1年分の福と健康を体に摂り入れる意味が込められています。