古くからある伝統的な「本漬け」や「古漬け」は、塩分濃度を10%〜20%近くまで高めることで水分活性を下げ、長期間の常温保存を可能にしていました。これに対して、現代のきゅうりの浅漬けの塩分濃度はおよそ1.5%〜3%程度と極めて低く抑えられています。
塩分が控えめであることは健康面でのメリットが大きい反面、微生物の繁殖を抑える力は弱くなります。さらに、きゅうりは全体の約95%が水分で構成されているため、塩を振ることで内部から大量の水分が染み出します。この水分と低い塩分濃度の組み合わせが、細菌にとって格好の増殖環境を作り出してしまうのです。
特に危険なのが浅漬けの常温放置です。室温が20℃を超える環境では、わずか数時間放置しただけでも食中毒菌が爆発的に増殖します。食卓に出したまま数時間放置した浅漬けを再び冷蔵庫に戻すような行為は、傷む原因を自ら作り出しているようなものです。配膳時以外は常に10℃以下の冷蔵環境を維持することが鉄則です。