番組のトリを飾るにふさわしい重厚な存在感を放ったのが、高橋克典主演の『憑けてきたもの』だ。実業家として成功を収めながらも、原因不明の体調不良と不吉な出来事に苛まれる男の苦悩を描いた。
ベテラン俳優ならではの圧倒的なリアリティが、現実と非現実の境目を曖昧にする。科学では説明のつかない霊障という現象に対し、人間がどれほど無力であるかを突きつける展開。怪異のヴィジュアルだけでなく、男の背負ってきた人生の影そのものが恐怖を増幅させていくプロットは、大人の鑑賞に耐えうる上質なホラーショートドラマとして結実した。