節約志向とタイパ重視の世相を反映し、国内の各家庭や飲食店で圧倒的な支持を集めるのが、業務スーパーで販売されている大容量の冷凍シーフードミックスです。SNSや知恵袋、料理コミュニティを調査すると、「安くて助かるが、そのまま使うと料理が水浸しになる」「イカがゴムのようになって噛み切れない」という切実な声が数多く投稿されています。
業務スーパーをはじめとする業務用シーフードミックスの多くには、冷凍保管中の乾燥(冷凍焼け)を防ぐ目的で、表面に「グレーズ」と呼ばれる薄い氷の膜がコーティングされています。このグレーズ自体は品質保持のための技術ですが、長期間の流通で空気中の微細な油脂臭や冷凍庫特有の匂いを吸着しています。
取材した料理関係者は、「業務スーパーの冷凍シーフードミックスの解凍こそ、最初の儀式を省いてはいけない」と口を揃えます。その儀式とは、塩水に入れる直前のグレーズ氷膜の落とし方です。冷凍庫から出した直後の凍った身をザルにあけ、蛇口からの水道水(強めの流水)に5〜10秒間だけ素早くくぐらせること。表面の濁った氷膜だけがサッと溶け落ちて身の輪郭が浮き出たら、即座に水を切って用意した塩水に投入します。このステップを踏むだけで、業務用の大袋商品であっても専門店クラスの上質な仕上がりに昇華します。