ネット上の簡易的な解説では、ボンドルドが「痛覚や感情を持たない単なるサイコパス」として片付けられるケースが散見されます。しかし、綿密なメイドインアビス考察を行うと、それは完全な誤解であることが浮き彫りになります。
ボンドルドは他者の痛みに無関心なのではなく、むしろ他者の感情の機微や魂の輝きを誰よりも深く理解し、尊重しています。彼はカートリッジにした子供たち全員の名前を完璧に記憶しており、彼らがどのような夢を抱き、どのように生きていたかを一つ残らず胸に刻んでいます。
彼が常軌を逸しているのは、「理解できないこと」ではなく、「アビスの深淵を解明し人類に未来(黎明)をもたらすという大義の前には、愛する者の命も、自分自身の命も等しく捧げるべき資材である」という独自の価値体系を一片の揺らぎもなく信奉している点です。利己的な欲望のために他者を踏みにじる悪党よりも、純粋な利他と探求心のために自分と愛する者を平然と解体できる人物のほうが、人間にとっては遥かに恐ろしく、かつ神秘的な存在として映るのです。