多くの人が鶏皮を敬遠する最大の理由は「独特の脂臭さ」や「ブヨブヨとした食感」にあります。しかし、これは素材の欠点ではなく、単に鶏皮の下処理方法を知らないことが原因です。鶏皮の下処理は、包丁で削ぎ落とす工程と茹でこぼす工程の2段階を行うだけで、見違えるほどクリアな味わいに仕上がります。
まずパックから取り出した鶏皮を広げ、裏側(肉に接していた面)を観察してください。白から黄色の脂肪の塊が付着しているのが確認できるはずです。この黄色みを帯びた酸化しやすい皮下脂肪こそが、嫌な臭みと過剰な油っこさの元凶となります。包丁の刃先を皮に対して寝かせ、削ぎ落とすようにこそげ取るか、気になる部分はキッチンペーパーでつまんで引き剥がす作業を行います。
続いて不可欠となるのが、鶏皮の茹で方と臭み取りの基本工程です。「熱湯にいきなり放り込む」のは避けてください。急激な加熱は身を縮こまらせ、臭みを内側に閉じ込めてしまいます。鍋にたっぷりの水、酒大さじ2、長ネギの青い部分、薄切りにした生姜を入れ、冷たい状態から鶏皮を投入して中火にかけます。沸騰したら火をやや弱め、浮いてくる灰汁(アク)を丹念にすくいながら3〜5分ほど静かに茹で上げます。ザルに上げた後、表面の脂とぬめりを冷流水でサッと洗い流し、しっかり水気を切るだけで、驚くほど澄んだ旨味へと生まれ変わります。