受験生が西高を訪れて真っ先に驚くのが、標準服(制服)が存在せず、全校生徒が私服で思い思いのスタイルで学問に励んでいる光景です。髪型や頭髪の色、持ち物に関する細かな規制も事実上存在しません。なぜ公立高校でありながら、これほどまでに寛容な環境が守られているのでしょうか。
その背景にあるのが、初代校長以来受け継がれてきた「自主自律」の精神です。西高において「自由」とは決して「放任」や「気まま」を意味しません。「すべての行動の結果は自らが引き受ける」という厳格な自己規律が前提として求められます。校内には「愛の泉」と呼ばれる池や石庭が配置され、生徒が思索に耽るための静謐な憩いの場が整備されています。教員側が生徒を一律に管理するのではなく、大人の対等な対話相手として尊重する土壌が長年にわたって醸成されてきました。
さらに西高を象徴するのが「文武両道」ではなく「文武二道」という言葉です。二つの道を妥協して器用に両立させるのではなく、「学問」と「部活動・行事」という独立した二つの本道を、それぞれ妥協なく全力で極めるという覚悟を意味します。インドネシア姉妹校との国際交流プログラムをはじめ、外部試験の活用や海外研修などグローバルな視野を養う機会も豊富に用意されており、枠にはまらないスケールの大きな人間を育てる環境が整っています。