世間には、脇役として重宝される俳優に対して「主役を張れない器だから脇役に甘んじているのではないか」という安易な偏見を抱く向きも一部に存在します。しかし、これは現代の映像ビジネスにおける最大の誤解です。
彼らが脇役にとどまらない最大の証拠は、映画祭や映画賞における主演作の評価の高さにあります。例えば岡山天音は『笑いのカイブツ』で圧倒的な熱演を見せ映画賞を席巻しましたし、若葉竜也もインディペンデント映画で主演を務めれば国際的な評価を獲得しています。彼らは「脇役しかできない」のではなく、「主役も脇役も同列の表現の場として捉えている」のです。
また、「事務所のゴリ押しで出演枠を確保している」というネット上の穿った見方も実態とは真逆です。大手芸能事務所のバックアップによって主演枠が割り当てられるアイドル型俳優とは異なり、彼らの多くは小規模・中堅事務所に所属しながら、現場の監督やプロデューサーからの直接指名(リピート)で仕事を勝ち取っています。
「一度現場を共にすれば、誰もが次の作品でも呼びたくなる」。この現場評こそが彼らの真の強みであり、景気や流行に左右されない持続可能なキャリアを形成する強固な防壁となっています。