インターネット上では、「あの天才もアスペルガーだった」というまとめ情報が日常的に消費されています。アルベルト・アインシュタイン、アイザック・ニュートン、トーマス・エジソン、そしてアップル創業者のスティーブ・ジョブズに至るまで、名を馳せた偉人たちのエピソードが発達特性と結びつけられて語られる現象です。 アインシュタインが幼少期に言葉を話すのが極端に遅かった点や、身だしなみに無頓着で同じ服ばかり着ていた点、あるいはエジソンが小学校をわずか3カ月で退学になった逸話などは、確かにASDに見られる「言語発達の特異性」「同一性へのこだわり」「興味の限定」と符号するように映ります。 しかし、これらはすべて歴史的資料から後世の研究者や作家が推測した死後診断(ポストヒューマス・ダイアグノーシス)に過ぎず、医学的な確定診断では断じてありません。歴史的な大業を成し遂げた人物の奇矯な行動ばかりを切り取り、「奇人・変人=アスペルガー=天才」という短絡的な三段論法に当てはめる行為には、強い確証バイアスが働いています。 特に現代の芸能界において、少し空気を読まない発言をしたり、私生活で片付けが苦手だったりするタレントに対し、匿名のネット掲示板やSNSが勝手に「アスペルガー確定」とラベリングする風潮は極めて危険です。その大半は、個性やキャラクター付けを病理的な枠組みに無理やり押し込めただけの無責任な憶測であり、情報の受け手側が冷静にファクトチェックを行うリテラシーが求められます。
アスペルガー症候群の有名人・芸能人|公表の真相と天才肌の共通点
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