スタジアムに車で乗り付けようとする多くのファンが最初に直面する壁が、球団が管理する公式駐車場の一般収容台数の少なさです。収容人数3万人を超えるスタジアムでありながら、一般来場者が日常的に利用できる球場直結の駐車スペースは極めて限定されています。
球団公式サイトの案内や広島市の都市計画資料を確認すると、スタジアム敷地内の駐車場は原則として年間指定席契約者、車椅子席利用者、関係者、大型観光バスに優先枠が割り当てられています。身体障がい者用などの一般前売駐車券は販売されるものの、公式駐車場の料金は1試合2,000円〜2,500円程度に設定されており、入場券発売とほぼ同時に激しい争奪戦が繰り広げられます。
なぜここまで意図的に一般駐車場が削られているのか。その背景には、マツダスタジアムが開場当初から掲げる「公共交通機関誘導型ボールパーク」という都市設計思想が存在します。JR広島駅南口からスタジアムへと続く「カープロード」を歩いて来場してもらうことを大前提としており、球場周辺の生活道路への車両流入を最小限に抑える設計が施されているのです。この構造的背景を理解せず、他球場と同じ感覚で現地に向かうと、スタートから大きな混乱に巻き込まれることになります。