発掘現場となったモンタナ州のヘル・クリーク層上部から出土した化石群は、保存状態が極めて良好で、完全度にして75%を超える奇跡的な個体だった。発掘プロジェクトを率いるシカゴ自然史博物館のアーロン・ミラー博士は、現地での緊急記者会見で興奮を隠さなかった。「頭骨の一部が土から露出した瞬間、現場の全員が息をのんだ。通常のティラノサウルスとは明らかに骨格の比率と密度の次元が違っていたからだ」と回想する。
大腿骨の太さと全体の骨格バランスから算出された推定全長は14.2メートル、体重は9.5トン超。従来の大型獣脚類を頭一つ上回る巨体でありながら、各関節の接合部は驚くほど柔軟な可動域を保っていた形跡が残されている。