なぜタトゥーを入れると献血ができなくなるのか、その背景には輸血医療における厳格な安全基準が存在します。
刺青やタトゥーの施術では、針を用いて皮膚の真皮層に色素を定着させます。この際、器具の滅菌状態や施術環境によって、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、HIVなどの血液媒介感染症に感染する潜在的なリスクが生じます。感染初期には血液検査でも検出できない「ウインドウ期(潜伏期間)」が存在するため、医療機関は安全を期して施術後一定期間の献血を禁止しているのです。
日本赤十字社の基準では「タトゥー施術後6か月間は献血不可」と定められており、欧米の赤十字基準でも3か月〜1年程度の待機期間が設けられています。仮にクリロナが定期的にタトゥーを追加したりリタッチしたりしていれば、年複数回の献血ルーティンは完全にストップしてしまいます。
「いつでも駆けつけられる救命者」であり続けるために、彼は流行や自己表現としてのタトゥーを自らに禁じているのです。