ここで一つの素朴な疑問が生じる。法的に苗字の文字数には上限があるのだろうか。
法務省が管轄する現行の戸籍法を精査しても、氏(苗字)の文字数を制限する条文は一切存在しない。戸籍統一文字や常用漢字、人名用漢字といった「使用可能な文字種」に関する規定はあるものの、「何文字以内におさめなければならない」という上限値は法的に規定されていないのだ。
行政窓口のシステムや民間の情報システムでは、入力フォームに文字数制限(例えば10文字までなど)が設けられている場合が多く、長大姓の所持者が不便を強いられるケースは後を絶たない。しかし、法的にはどれほど長い苗字であっても、先祖から正当に継承されたものであればそのまま登録が認められる。名前の長さは、個人の権利として保護されている。