晴の輔の原点を辿ると、意外なキャリアが浮かび上がる。学生時代を過ごしたのは東京経済大学。当時は必ずしも落語一筋の少年時代を送っていたわけではない。しかし、大学のサークルで落語と出会ったことで、彼の人生の針は大きく回り始める。
大学卒業後、彼が門を叩いたのは、現代落語界の最高峰の一人である立川志の輔の元だった。1997年、志の輔の一番弟子として入門。厳しい修業の日々が始まった。前座名「志の吉」として修行を重ね、古典落語の基礎を徹底的に叩き込まれる。志の輔の徹底した客目線の演出、物語を現代に通じるエンターテインメントへと昇華させる哲学を、一番近くで吸収し続けた経験こそが、現在の晴の輔の強固な骨格を形作っている。