本殿の正面、かつて神殿が建てられていた神聖な場所「古殿地(こでんち)」には、八角形の石柱である「方位石(ほういせき)」が据えられています。石の上面には十二支と十干の方角が刻まれており、参拝者が手をかざしたり触れたりする姿が日常的に見られます。
インターネット上では「仕事運なら『亥→卯→未』、金運なら『巳→酉→丑』の順に触る」といった風水・家相的な手順が広く拡散されています。しかし神社の公式見解や神職の教えとしては、「特定の手順で触らなければ効果が出ないという厳格な決まりはなく、自身の干支や仕事・願いに関わる方位に心を込めて静かに触れる、あるいは手を合わせることが本義」とされています。俗説にとらわれすぎて周囲への配慮を欠く参拝作法にならないよう、感謝の念を持って触れることが肝要です。
また、本殿の向かいに鎮座する境内社佐瑠女神社(さるめじんじゃ)の存在も見逃せません。御祭神は天照大御神が天岩戸に隠れた際に神楽を舞って世界に光を取り戻した天宇受売命(あめのうずめのみこと)です。芸能・芸術・表現活動の上達をはじめ、人と人、人と仕事を結ぶ「良縁」の神として、著名な俳優やアイドル、アーティストの奉納行灯(あんどん)が境内に所狭しと並んでいます。猿田彦大神と天宇受売命は夫婦神となったと伝えられており、本殿と佐瑠女神社を対で参拝することで、「正しい道へ進み、そこで必要な良縁を結ぶ」という完璧な調和がもたらされます。