物語を牽引するのは、人間の身でありながら神の命を受け天界の書記官となった主人公イーノックだ。彼の生真面目すぎる性格と、失敗しても挫けない愚直な姿勢は、プレイヤーに奇妙な愛着とリスペクトを抱かせた。「一番いいのをたのむ」と答えて挑んだ結果の悲惨な敗北、そして時間を巻き戻しての再挑戦という流れは、物語の象徴的シーンとして語り継がれている。
一方、彼を見守る存在として絶大な人気を誇るのがルシフェルだ。黒いスーツを身にまとい、現代のスマートフォンで神と通話するという時代錯誤なスタイルは、一度見たら忘れられない強烈なインパクトを残した。竹内良太氏による低音ボイスの語り口と、メタ的な視点から物語を導く役割が、作品全体のミステリアスな魅力を一層深めていた。