白鵬の後期現役生活は、土俵上の栄光と同時に、横綱審議委員会(横審)やメディアからの厳しい視線との戦いでもありました。
主な批判の対象となったのは、以下の点です。
- 激しい立ち合い(張り手やかち上げ):幕内後半において、白鵬は強烈なかち上げや張り手を多用するようになり、横審から「横綱相撲の美学に反する」として苦言や注意を受けました。
- 土俵外でのアピールやパフォーマンス:優勝インタビューでの三本締め音頭や、行司の軍配に対する異議申し立てなど、伝統的な横綱像から逸脱した行動が物議を醸しました。
- 長期休場に対する「注意」決議:2026年11月場所後、横綱審議委員会は度重なる休場に対し、引退勧告に次ぐ重い措置である「注意」を決議しました。
ファンの間では「ルール違反ではない激しい取り口を批判するのは過剰」「外国出身横綱に対する風当たりが強すぎる」という擁護論がある一方、「伝統文化の体現者たる横綱としての品格が求められるのは当然」とする意見もあり、ネット上や相撲界で大きな議論が巻き起こりました。
白鵬自身の手記やインタビューによると、かち上げや張り手の多用は「右膝の踏み込みが効かなくなった中で、勝つために生み出した苦肉の策」でもあったと明かされています。強さを維持するための肉体的適応が、皮肉にも伝統的価値観との摩擦を生んでしまったと言えます。