コンクールにおける楽曲選択は、奏者の表現力を引き出すための最大の鍵だ。特に邦人作曲家の重鎮である伊藤康英の作品は、多くの指揮者や部員から絶大な信頼を寄せられている。複雑なハーモニーと日本的な美意識が融合した楽曲は、ホールの音響特性を最大限に活かすのにうってつけと言える。
一方で、本格的なクラシック音楽の編曲版へ原点回帰する動きも目立つ。オーケストラの名曲を吹奏楽の色彩感で再構築する試みは、高校生たちの音楽的解釈をより高次元へと引き上げた。打楽器の打音一つ、管楽器のブレス一つに至るまで美意識を行き渡らせる姿勢が、金賞を手にする大きな原動力となっている。