皮膚表面に残存したクモ状血管腫の除去において、標準治療として確立されているのが色素レーザー「Vビーム(波長595nm)」による照射治療です。
Vビームレーザーは、血液中の酸化ヘモグロビンに特異的に吸収される波長を持っています。レーザー光が照射されると、病変の中心にある微小動脈と異常血管内で熱エネルギーへ変換され、周囲の正常皮膚組織を傷つけることなく血管内壁を凝固・熱破壊します。これにより血流が遮断され、数週間から数カ月かけてマクロファージによって老廃物として体内に吸収され、赤みが消失します。
治療における重要な論点は、健康保険が適用されるかどうかです。厚生労働省の保険診療基準において、Vビームによる保険適用が認められている疾患は「単純性血管腫」「苺状血管腫(乳児血管腫)」「毛細血管拡張症」に厳格に限定されています。
クモ状血管腫は病名としては毛細血管拡張症の範疇に含まれますが、医療機関によって「保険適用の毛細血管拡張症として算定可能」と判断される場合と、「整容目的(美容)とみなされ自費診療」となる場合に分かれます。保険適用が認められた場合、3割負担で1回あたり約6,000円〜10,000円程度(照射面積による)で受けることが可能です。一方、自由診療(自費)として扱うクリニックでは、1箇所あたり5,500円〜16,500円前後が相場となっています。中心部の血流が強い場合は1回で消え切らず、2〜3ヶ月の間隔を空けて2〜3回の追加照射を要することもあります。