点滅信号が運用されている交差点で最も多いのが、「主道路(黄色点滅)」と「従道路(赤色点滅)」の出会い頭衝突事故です。このとき、黄色点滅側を走っていたドライバーの多くが「相手が赤色点滅で一時停止義務違反なのだから、自分に過失はない(過失割合0)」と主張します。しかし、実務上の損害賠償実務においてその主張が通ることはほぼありません。
判例タイムズ等の確立された過失相殺基準によると、同幅員の交差点における四輪車同士の基本過失割合は以下の通りです。
【基本過失割合】黄色点滅車:20% | 赤色点滅車:80%
黄色点滅側であっても、法的に「他の交通に注意して進行する義務」が課されているため、交差点進入時の安全確認不足や予見義務違反が認定され、原則として2割の過失が科されます。さらに、以下のような修正要素が加わると、黄色点滅側の過失はさらに重くなります。
- 速度超過(15km/h以上〜30km/h以上):+10%〜+20%(黄色点滅側の過失が30〜40%へ増加)
- 見通し不良交差点での不徐行・著しい前方不注視:+10%
- 夜間・視界不良時の安全不確認:過失加算の対象
実際のドライブレコーダー鑑定や損害保険各社の示談交渉の現場取材でも、「相手が一時停止せずに飛び出してきたとはいえ、黄色点滅側が無減速だったため35%の過失を負わされ、数百万円の賠償負担が発生した」というケースが頻発しています。「黄色点滅=優先道路で無条件に守られている」という認識は、法秩序においても保険実務においても完全な誤りです。