現代の都市生活において、時間は何よりも貴重だ。改札前やレジ前で、リュックを下ろしてファスナーを開け、中をゴソゴソと探る時間は、致命的なロスタイムとみなされる。カラビナを介して外側にアクセスしやすい拠点を設けることで、この無駄な動作がゼロになる。
また、近年のリュックはスリム化が進んでいる。満員電車でのマナーやスマートなシルエットを重視した結果、バッグ内部の容量は減少傾向にある。そこで「中に入らないものは外に吊るす」という逆転の発想が生まれた。折りたたみ傘や濡れたレインジャケット、ジム用のシューズなど、中に戻したくないものを一時的にホールドする避難所として、カラビナが機能している。