そもそも、なぜここまで中継の視聴環境が複雑化してしまったのか。その元凶とも言えるのが、世界規模で繰り広げられるサッカー放映権ビジネスの過熱だ。FIFA(国際サッカー連盟)は巨大な放映権収入を大会運営および世界各国へのサッカー普及資金の原資としており、大会ごとに権利料を引き上げ続けてきた。
だが、かつてのバブル期とは異なり、現在の日本のテレビ局にはそこまでの巨額を投じる体力がない。若者のテレビ離れによる広告収入の減少と円安のダブルパンチが、地上波局の腰を引かせているのだ。放映権の価格があまりに跳ね上がった結果、日本国内での放送権獲得交渉は難航を極め、開幕直前まで放送局が決まらないという異例の事態すら日常茶飯事になりつつある。