ジョン・トラヴォルタ演じるヴィンセント・ベガと、ユマ・サーマン演じるミア・ウォレスが裸足でツイストを踊る名シーンの舞台となった「ジャック・ラビット・スリム(Jack Rabbit Slim's)」。1950年代のポップカルチャーを凝縮したこのドリームレストランは、結論から言うと実在しない架空の店舗です。
あの広大で煌びやかな店内は、カリフォルニア州カルバーシティにあったスタジオの巨大倉庫に作られた映画専用の特注セットでした。当時のインディーズ映画としては破格となる約15万ドル(当時のレートで約1,500万円以上)もの予算が、この店内セットひとつに投じられています。クラシックカーをそのまま改造したボックス席や、往年のスターに扮した店員たちがローラースケートで行き交う演出は、タランティーノ監督のノスタルジーとこだわりが生んだ映画的イリュージョンでした。
なお、外観として撮影された建物はロサンゼルス近郊グレンデールに実在したボウリング場「グランド・セントラル・ボウル」でしたが、こちらも後に改装され、現在はウォルト・ディズニー・カンパニーの関連施設(イマジニアリング部門)の一部となっており、当時の面影を残す一般利用はできません。