作者の森川ジョージ氏は、SNSを通じてファンや業界に対してオープンな発信を続けていることで知られる。漫画家の権利擁護や業界の未来に関する言動は常に注目を集めているが、自身の作品制作に関しても一切の妥協を許さない姿勢を一貫して貫いている。
周囲からの「早く主人公を戦わせろ」というプレッシャーや商業的な要請に迎合することなく、己が信じるストーリーラインを淡々と描き続ける。その孤高とも言えるスタンスは、クリエイターとしての純粋なプライドのあらわれだ。しかし、テンポ感を重視する現代のウェブカルチャーやファストコンテンツの時代背景と、森川氏の重厚で丹念な語り口との間には、時に埋めがたいギャップが生じることもある。